火の鳥そして・・・絆

火の鳥青山ブックセンターでスピーチ&プレゼン教室に参加しています。

昨夜、メンバーの前で発表したプレゼン(構成)を備忘録として、そしてシェアしたいと思います。

 

My本棚皆さん、マンガは好きですか? 私も例外なく大好きです。

昔は貸本屋さんてのがありまして、一泊10円ぐらいで好きなマンガを読むことが出来ました。

この本はそんな貸本屋さんの本棚に並べられていた一冊です。ちょっと珍しいので今日お持ちしました。

この本SF特集「謎と怪奇」のトップを飾るのが「ジェット基地の幽霊」書いているのは、今日お話しするマンガの神様と呼ばれている、故手塚治虫さんです。

手塚治虫さんは戦後まもなく学生時代からマンガを書き始め、1947年「新宝島」を発表し、当時40万部、一説には80万部が売れたそうです。その後は亡くなる1989年までに皆さんもご存じの代表作「アトム」や「ブラックジャック」などのマンガを書き続け、その間には私の本棚にもある「COM」というマンガ雑誌を創刊しました。

私がお勧めしたい手塚さんの作品は「火の鳥」です。

何度読んでも飽きない、読むたびにその時の時代背景、心情に合わせ、違った思いにさせてくれる本です。

My本棚021967年に黎明編が雑誌COMに掲載され、その後未来編、ヤマト編、宇宙編、鳳凰編、復活編、羽衣編、望郷編、乱世編、

ここで雑誌COMは1973年、廃刊となり、受け継ぐ形で1976年からマンガ少年に掲載された乱世編、生命編、異形編、

ここでまたマンガ少年が廃刊になり、1986年角川書店の野生時代へ引き継がれ、大陽編で終わっています。その後も3編ほどの企画はあったものの、執筆はされませんでした。

 

火の鳥に特定の主人公はいません、強いて言えば、「火の鳥に」象徴される無限に続く時間の流れ、そして、有限の存在である人間をどう理解していけば良いかが問われている作品だと考えます。

My本棚03私がこの作品で特に興味深く感じるのは、全編にわたり共通している「死生観」です。

私は人に生まれ、様々な経験、想いを持ち人生をたどっています、しかし、いつか最後は死んでいく。

これは命あるモノすべてに共通した法則であり、時には深い絶望やあきらめと思える事でもあります。

逆に誰にでも訪れる死は平等だともいえます。 この平等感の上にすべてが立たされていることを知ったとき、私たちは絶望より、愛や、いとおしさ、悲しさ、楽しみなど様々な感情を平等に共有することの一体感(絆)を覚えるのではないでしょうか。

そんなことを考えさせてくれる、是非一読をお勧めする手塚作品です。